2011/12/07

ドラえもんの最終回は存在する 理由

未完のはずの『ドラえもん』に最終回が存在する大きな理由は、かつて『ドラえもん』が連載されていた雑誌が、学年誌小学館の小学○年生)であることにある。
当該雑誌は基本的に1年間しか読まれない(小学○年生3月号の読者は翌月は進級し、一学年上の学年誌を読みはじめる)ことに加え、当時『ドラえも ん』は『小学五年生』と『小学六年生』には掲載されていなかった。つまり小学館は、『ドラえもん』を読むのは最後となる『小学四年生3月号』の読者への配 慮として『最終回』を掲載する必要があった。実際に当時の他の学年誌連載作品でも、毎年4月号には新たに購読を始める新学年生のために『第1話的』な内容 を書き、年度末の3月号には『最終回的』な内容の物語を掲載することが慣例的に行われていた。無論、『最終回』が掲載された翌月の『小学四年生4月号』 (新四年生が読み始める)には、通常通り『ドラえもん』が掲載されるため、本来的な意味での最終回とは異なる。
当初はこのような事情もあって藤子は最終回を執筆した。しかし、後に『小学五年生』・『小学六年生』にも連載が拡大されたことや、単行本が発売され たこともあり、『ドラえもん』についてはこの趣旨に則って書かれた最終回は2本だけで、以後は3、4月号ともに通常のエピソードを掲載するようになった。 またこの結果、二本目の最終回を読んだ読者は、『小学五年生』購読の1年を空けて、『小学六年生』からまた読めることになった。そのため『小学五年生』3 月号には、ドラえもんがのび太の元へ帰ってくるという1ページ漫画が掲載された。



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