2011/12/07

イギリスの良質な出会いサイトBadooが年商1億ドルを達成–その収益化の秘密を聞く

ソース: TechCrunch Japan Josh Constine 11/12/05

Badoo CMO Jessica Powell
ネット上で新しい出会いを提供するBadooが、登録ユーザ数1億3000万、年商1億ドルに達した。ロンドンのSilicon Roundaboutにオフィスを置くBadooは、これをソーシャルネットワークと呼べるならば、世界第四位のソーシャルネットワークだ。しかしBadooの使われ方は、ユーザは全世界に分布していても、もっぱらローカルだ。たとえばイギリスではデートの相手探しに使われ、チェコ共和国では結婚相手を探す。インドネシアでは、ブルカを着た女性たちが自分を表現するために使う。ヨーロッパのスタートアップ、Badooの大成功の理由を知りたいと思った本誌は、同社のCMO(Chief Marketing Officer) Jessica Powellにインタビューした(下にビデオとその書き起こし)。彼女によると、Badooで会話をする人たちの50%が、オフラインで会うそうだ。
まずそそられるのは、シリコンバレーという地の利がないのに成功したこと。Powell曰く、今ではロンドンやベルリンなどいくつかの都市がイノベーションの核になりつつあり、資金や人材を得たいヨーロッパのスタートアップは、これらの都市を目指すべきである。
2006年にFacebookの爆発的な成長を見たBadooは、競合するのではなく、Facebookがやってないことで差別化しようと努めた。それは、お互い知らない人同士を結びつけることだ。スタートアップというものは、楽しいことやおもしろいことに目を向けるのではなく、今多くの人たちが抱えている問題、しかも企業等による解決が見いだされていない問題に着目すべきである。たとえば、美人の写真を共有するサイトは楽しいだろうが、それはすでにInstagramで間に合っているし、写真の共有にはもはや、解決を求められている大きな問題はない。
何かすごい機能を提供してサイトを有料化する、という路線ではなく、Badooはその主な機能のすべてが無料だ。Powellによると、それによって年間成長率60%を達成できた。すべてのユーザが、十分満足するまで利用できるからだ。これだけの成長を支えるためにBadooは、これまでに3000万ドルの資金を調達した。今のところは、新たな資金調達の必要はない、ということだ。
では、1億ドルの年商は何か。Badooでは、ユーザがもっと自分を目立たせたいと思ったり、会話する相手を決めるための情報が欲しいと思ったら、その部分の機能は有料になる。ユーザは、小額の支払いによって検索のランクを上げることができ、また会費制により、自分のプロフィールを見た人のデータなどが得られる。一般的な広告スペースの提供は、最近始めたばかりだから、今後は広告収入の増大も見込める。
Badooの収益化の方法は、そのほかのスタートアップが学べるぐらい妥当ではないだろうか。メインの機能は無料にし、ユーザからあせって金を取ろうとしない。そしてユーザがこのサイトを気に入って、親しみをおぼえるようになったら、もっと細かい具体的なニーズを満たすための特殊な機能を、個別に有料にするのだ。
[ビデオトランスクリプトは英文ママ]

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))