2011/12/07

ドラえもん最終回「ドラえもん未来へ帰る」

あらすじ

ある晩、部屋で寝ていたのび太はザワザワとした物音に眠りを妨げられる。雑踏のような物音に顔を起こしてみると、大勢の人間が壁をすり抜けて部屋に現れ、また壁をすり抜けては姿を消していった。
次の朝、未来の世界に一時戻っていたドラえもんが帰ってくるが、ひどく元気が無くなぜかぼんやりとしていた。のび太は昨晩の奇妙な出来事を説明し ようとしたが、その矢先にママがのび太を呼びつけ、壁に書かれた落書きを指してのび太をなじり始める。まったく身に覚えのないことにのび太は知らないと弁 解するが、そこへパパが大事なライターが無くなったと騒ぎ出し、「そういえばこのところいろんな物がよく無くなるなあ」と3人は顔を見合わせる。不思議そ うに首をかしげる彼らを見ながら、ドラえもんは「とうとう、このへんにもあらわれたか」と力なく呟く。
のび太は勉強部屋でドラえもんと向き合っておやつを食べるが、ドラえもんは大好きなどら焼きを前にしても手をつけようともしない。声をかけても気 のない返事しかしないドラえもんをいぶかしんでいると、そこへ突然、昨晩のように壁をすり抜けて奇妙な人間たちがドヤドヤと部屋に闖入してきた。先頭に立 つ男は名刺を差し出し、自分は未来世界の観光会社ガイドで未来世界の時間観光ツアー客を案内していると名乗る。ドラえもんは時間旅行のマナーを持ち出し、 「旅先の時代の住人に気づかれないように行動するのが時間旅行のルールだろう」と怒るが、ガイドはそれでは客が満足しなくなったのだと笑って言うことを聞 かない。やがて母子連れはのび太のノートやパパの入浴を覗いたり、新婚カップルは家に記念の落書きをしたりその場でイチャイチャしたり、金持ちはママが 洗っていたシャツを「珍しい繊維だ」と言って買い取ろうとするなど、ツアー客達はその傍若無人ぶりをエスカレートさせる。野比家の面々はすっかり憤慨する が、彼らは4次元移動で壁をすり抜けて移動して家の中を駆け回り、なかなか捕まえることができない。

そんな中、ピストルを持った奇妙な男が現れ、「ここが気にいった、下宿するぜ」と野比家への下宿を要求する。男は、「殺し屋ジャック」という未来 世界から逃亡してきた凶悪犯だった。ジャックはピストルを突きつけて野比家の面々とツアー客を脅迫し騒然とさせるが、駆けつけてきたタイムパトロールに撃 たれて拘束される。
 ツアー客が去って、野比家にようやく静寂が戻ってきた。のび太が「時間観光旅行なんて迷惑だ!」とぼやいていると、そこへセワシが現れる。セワシ は未来からの渡航者たちのマナーが非常に悪く、過去の人間に迷惑をかけないために「時間旅行規制法」が制定され、過去への渡航が一切禁止となったと説明す る。ドラえもんが元気がなかったのは、「規制法」が近々制定されるのを知らされていたからだった。当然ドラえもんも帰らねばならなくなりのび太は引き止め るが、ドラえもんは「男だろ!これからはひとりでやってくんだ。きみならできる!!」とのび太に叱咤を飛ばす。やがて帰還のサイレンが鳴り、別れの時が来 る。のび太に叱咤を飛ばしたドラえもんも、別れの瞬間を前にして「のび太くんとわかれるのいやだあ」と泣きわめくが、セワシに引っ張られ、結局否応なしに 未来へと帰っていった。

ドラえもんはセワシとともに未来の世界へ戻り、タイムマシンの出入り口も机の引き出しから消えた。勉強机に向かうのび太は、その引き出しを眺めながらドラえもんの影を思い出して静かに呟くのだった。
「つくえの引き出しは、ただの引き出しにもどりました。でも……、ぼくは開けるたびにドラえもんを思い出すのです。」


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